妹の恋人[完]
お互いに言葉は少なかったけど、参考書を開きながら最終確認をして会場へ。

終わったら入口でまた会う約束をして、それぞれ指定の場所へ向かった。

あたりまえだけど受験生ばかりの空間はなんだか不思議な緊張感に包まれていて。

周りに惑わされると実力が出せないと先生に聞いていたこともあり、自分だけを信じて試験に挑んだ。


2日間あるセンター試験がどちらも終わり、ほっと一息つく間もなく次は滑り止めの私大の試験があって。

センター試験の自己採点ではどの教科もまずまずの点数で、今までの模試よりもいい点数が取れていたと思う。

受験した私大も家から通える大学で。

試験の結果の自己採点もなかなかなもので、なんだか絶好調だった。

「おにいちゃん、調子良さそう」

試験中にもかかわらず、機嫌の良い俺を見て、カナコが安心しきって笑っていた。

「この調子で風邪をひかずに試験に挑めれば、二次試験も大丈夫よ」

母さんもなんだか嬉しそうで、今までの努力してきた力を十分に出し切れていると思う。
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