妹の恋人[完]
同じ大学を受験していたクラスメイトも何人かいたので、皆でキャンパスで会おう!と約束なんかしたりして。

すでに進路が決まっている人は、遠くへ行く人もいてこれから一人暮らしの準備だの、留学の準備だの、本当に皆バラバラになってしまうんだとなんだかさみしくもあり。

「先輩、ずっと好きでした」

なんて見たこともない後輩に告白されたときには、本気で驚いたし、正直困りもした。

ありがたかったけど、丁寧にお断りしているところをよりによって高橋さんに見られて。

彼女も苦笑いするしかなくて、これも一つの思いでとなった。

「浅野君、今までありがとう。進路は別になっちゃうけど、これからもよろしくね」

受験した大学がすべて違うところなので、どこへ進むことになったとしても離れることは確定している俺達。

俺は自宅から通うことしか視野にないけど、高橋さんは家を出ることを考えているようで。

一人暮らしをしながら大学へ通い、留学も考えているんだと話してくれた。
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