妹の恋人[完]
「え、採用ってことですか?」

なんだか話が見えなくて、思わず聞いてしまった。

「ああ、そうですよ。早くなれた方が仕事も覚えられると思うので、最初のうちはできるだけたくさん入ってくださいね」

仕事が覚えられたら、自由にシフトを組めるようにしてくれるという店長。

「学生のバイトが多いので、皆で協力してシフトを組むようにしているんです」

急に都合が悪くなって休む時も、バイト同士で連絡を取り合い、変わってもらったりしているらしい。

「皆いい子ばかりですから、すぐ仲良くできると思いますよ」

どうぞよろしく、と手を差し出され、反射的に手をにぎり握手してしまった。

「よかったら明日からどうかな?最初は夜の方がいいかも」

ランチはとても混雑するらしく、初めて入るのはつらいかもといわれたので、明日の夕方から入ることにした。

明日も16時にここへ来ることにし、今度は裏の従業員入口から来てくださいと説明がてらそこから外へ出た。

「では明日お待ちしてますね」

「よろしくお願いします」

あっという間にバイトも決まり、なんだかほっとしたというかなんというか。

とりあえず明日からがんばろう。
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