妹の恋人[完]
お風呂上りにリビングを見ると、なにやら難しい顔をしたカナコが机に向っていて。

そっと覗くと、どうやら算数の宿題らしく、問題を読みながら教科書とにらめっこしていた。

「なに、わからないの?」

あまりにも必死に考えている割には手が動いていないので、悩んでいるのは誰が見てもわかって。

何そうな顔をして俺を見上げてきた。

「おにいちゃん、たすけて~」

カナコは俺と違って数学が苦手らしく、宿題で出た問題が解けなくて困っているという。

「ここ!意味わかんないの~」

ノートに書き写してある問題を俺に見せて、自分は教科書でなにやら確認している様子で。

「この公式使うんだと思うんだけど・・・」

ちがう?と教科書も見せてくれた。

「んー」

問題を読んで、教科書を見直すとどうやらカナコの勘違いのようで。

「カナコ、違うよ」

こっちの公式で解いてみたら?と別のページを開いて見せてあげる。
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