妹の恋人[完]
「え!違うの~!?」

俺から教科書を受け取ると、問題と照らし合わせながら一生懸命なカナコ。

こうして自分で考えるということはとても大切なことなんだとカナコを見ているとすごく思う。

カナコはずば抜けて成績がいいわけでも、悪いわけでもなくて、きっと平均くらいなんだろうけど。

理解するのが少し時間がかかるけど、しっかり自分の中で解決してから先へ進むタイプなので、基礎がわかれば応用問題はすごく得意な方だと思う。

国語の成績がいいので、問題を理解する力が強いんだろうな。

ゆっくりだけど、時間をかけて問題を解いたカナコは、満足そうに俺に回答を見せてくれた。

「どう?」

答え合わせをすると、ちゃんと計算式もあっていて。

「うん、これなら満点だね」

途中の計算も合っているし、考え方も大丈夫そうだ。

「やった!おにいちゃんありがとう!」

うれしそうに俺に飛びついてぎゅーっと抱きついた後、やっと寝れる!と教科書やノートを片付けている。

「最近ハナちゃんとは宿題をやらないの?」

少し前までは夕方学校が終わってからハナちゃんと宿題をやっていた時期があったと思うのに。
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