妹の恋人[完]
2DKなんてすごく贅沢だけど、意外と家賃が安くていいのよ、と笑っていたけど。

どこもシンプルにまとまっていて、高橋さんらしい部屋だと思った。

「そうだ、これ引っ越し祝いに」

持ってきた紙袋から、例の写真立てを取り出し、高橋さんに渡す。

予想外だったのか、びっくりした顔をしたけどすぐに満面の笑みを浮かべ、ありがとうと受け取ってくれた。

「開けてもいい?」

背の低いソファに座り、膝の上でプレゼントを開ける。

俺もその横に座って丁寧にラッピングをほどいている彼女を見つめていた。

「あ・・・」

中から出てきた写真立てを見て、少し驚いていた高橋さん。

しばらくしてから肩を震わせてくすくす笑い出したと思ったら、ちょっと待っててねと寝室へ行ってしまった。
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