妹の恋人[完]
買ったばかりの食器を取り出してきれいに洗い、棚へ並べていく。

なんだか嬉しくて、お揃いで買ったマグカップにコーヒーをいれてソファに並んで二人で飲んだ。

「ふふ。なんかいいね、こういうの」

テレビをつけると再放送の深夜のお笑い番組なんかがやっていて。

最近テレビを見る時間も増えてきたので知っている芸人も多くなってきて。

二人であの人が面白いとか初めて見たとかそんな他愛もない話で盛り上がった。

外を見るとうっすら暗くなってきたのでそろそろ帰ることに。

ベッドはあるけど注文した布団がまだ届いていないこの部屋には泊まることもできないので、大人しく帰ることにした。

最寄駅まで手をつないで歩き、切符を買って電車に乗る。

行きとは逆方向に流れる景色も、徐々に灯りが目立つようになってきて。

「少しゆっくりしすぎちゃったね」

いつもの駅に着くころにはすっかり夜になってしまっていた。
< 252 / 587 >

この作品をシェア

pagetop