妹の恋人[完]
会計を済ませ、バス停まで歩いて行くと後ろからタクミが走ってきた。

「バスで帰んの?俺も一緒してもいい?」

手をつないで歩く俺と高橋さんの間からぐいっと体をはさんできたタクミに、思わずつながれた手を離してしまった。

「うわ、あぶない」

びっくりして転びそうになりながらも、隣でけたけたと笑っているタクミは、しっかり高橋さんの肩に手をまわしていた。

何を考えているんだ!?

「やだ、タクミやめてよ」

タクミの手を必死に振りほどき、一歩下がって彼から体を離した高橋さん。

困った顔をしてタクミを見上げながら、小さくため息をついていた。

「危ないでしょう?私コウヘイ君と帰るから、タクミはお友達と帰りなさいよ」

店の方を振り返ると、まだ店の前には先ほどタクミと一緒にいた友達3人がたばこをくわえながらしゃべっていた。
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