妹の恋人[完]
「えー、俺たばこ吸わないからもういいの」

一緒にいると煙いでしょ?と再び高橋さんに手を伸ばしたタクミを阻止するべく、すっと高橋さんの隣に並び彼女の腕をつかんだ。

「一緒に帰るのは構わないけど、急に飛び込んできたら危ないだろう?」

いくら幼馴染とはいえ、なれなれしいんじゃないのか?

それも、彼氏と手をつないでいる彼女の手をほどいてまで肩に自分の腕を回すなんて。

あっけにとられて思わず見とれてしまうほど自然な流れだったけど、やっていることはかなり不自然。

「あはは、コウヘイさん、面白いね」

まじめそうだけどやきもち焼くんだ!なんて言いながらおなかを抱えて笑いだした。

「まあいいや、サトミちゃん、明日お宅に伺いますっておばさんにつたえといてね」

それじゃーね!と大きく手を振りながら店の前にいる友達の方へ走って行ったタクミ。

そんな姿を見ながら大きなため息をついている高橋さんに目を向けると、迷惑そうな顔をしているというよりもなんていうか・・・。
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