妹の恋人[完]
俺がカナコの話をしている時もこんな感じなんだろうか?

でも、同じバスケット部だったワタルの話をしている時とまた違う高橋さん。

うまく言えないけど、なんていうか・・・。

「気にしないでね!あの子まだまだ子供だし・・・」

高橋さんが思っているよりも、タクミは立派な男だと思うけど。

でも、彼女の中でタクミがまだ子供だというのなら、彼が男だということに気がつくのはもっと先でもいいと思った。

こんな風にいちいちやきもちを焼いていたら、これから二人違う大学へ行くのに大丈夫なんだろうか?

「明日、家へ行くって言ってたけどよく出入りしているの?」

ああ、こんなこと聞く俺って・・・。自分がすごく小さい男に思えて、口にしたことを後悔した。

「うん、うちのお母さんとタクミのお母さんがね、よく一緒に料理作ったりしていて」

料理やお菓子を作ることが趣味だという高橋さんのお母さんとタクミのお母さん。

アメリカで覚えてきた料理やお菓子を、最近よく高橋さんの家で一緒に作っているのだという。
< 261 / 587 >

この作品をシェア

pagetop