妹の恋人[完]
「おかげで私少し太っちゃったよ」

おいしいんだけど、しょっちゅうだから困るね、なんて笑っている。

よくあるんだ。タクミもよく一緒に高橋さんの家へ行くんだろうか?

どうしても頭の中からタクミのことが離れなくて、小さくため息をついた。

バスを降りて高橋さんの家まで送り、そのまままっすぐ家へと向かう。

一人歩きながら夜空を見上げてため息をつく。

タクミは高橋さんのことをどう思っているんだろう?

ただの幼馴染以上の感情があるように見えるけど、単にからかわれているだけなんだろうか。

じゃあ、高橋さんは?

タクミに対する彼女の気持ちもよくわからなくて、出てくるのはため息ばかり。

もうすぐ4月だけど、まだまだ夜は寒くて。

少し急ぎ足で家へ向かった。
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