妹の恋人[完]
「さあさあ、終わったならカナコはそろそろ寝ないと明日起きれないわよ?」

キッチンで遅く帰ってきた父さんの相手をしていた母さんが、ひょっこり顔を出した。

「はあーい。おにいちゃんありがと!おやすみー」

机の上のきれいに片づけ、自分の部屋へ戻って行ったカナコ。

俺はソファにもたれかかり大きく背伸びをした。

「コウヘイも疲れたでしょう?お茶飲む?」

「ありがとう、そっちへ行くよ」

夕飯を食べ終え、お茶を飲んでいた父さんの前に座り、母さんが入れてくれたお茶を飲む。

「カナコはそんなにできないのか?」

同じ問題を何度も説いていたのを聞いていた父さんが心配そうで。

「他の教科はそうでもないんだけどね、算数が苦手みたい」
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