妹の恋人[完]
徹夜で授業を受けてそのままバイトだなんてとてもできそうにない。

『なんだよ、若いんだから楽しもうぜ!』

いえーい!なんて電話の向こうで女の子の声もして。

眠いのと彼らのテンションについていけず、溜息が洩れてしまう。

「はいはい俺おやじだからまた明日大学でな。おやすみ~」

適当に相手をして電話を切る。

アツシも同じように朝から授業があるはずなのに・・・。

携帯を枕元にある充電器に差し込み、部屋の電気を消した。

サークルのメンバーって言っていたけど、女の子もいるんだな。

電話の向こうで盛り上がっていた声を思い出して、ばか騒ぎをしているであろうアツシを想像して一人笑ってしまう。

目覚ましをセットしてベッドに入り、ふと高橋さんを思い出した。
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