妹の恋人[完]
ソファに座ってバラエティ番組を見ているカナコに向って声をかける。

どうやら半分眠っていたようで、びくっと大きく肩を動かしてから時計を確認してあわてて机の上を片付けていた。

「おやすみなさい!」

あわてて部屋へと階段を上って行くカナコ。

ひょっとしておれの帰りを待っていてくれたのかな?とも思うけど、聞けないままで。

「最近ね、スイミングで選手の選考があるとかで、必死なのよ」

だからいつも遅くまで練習をしてそれから宿題などを済ますとどうしても遅い時間になってしまうんだとか。

「スイミングもだけど、もう少し勉強も頑張ってほしいんだけどねえ。お母さん欲張りすぎかしらね?」

食べ終わった俺の食器を片づけながら笑っている母さん。
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