妹の恋人[完]
「へー、素敵ねぇ」

女の子たちはこの個室がとても気に入ったようで、部屋にある備品などを見てはきゃあきゃあ騒いでいた。

「とりあえず、男女交互に座ろうか!」

幹事らしく入り口側にサッサと座ったアツシが、俺を二つ隣へ座れと指定してきて。

「じゃあ、私ここ!」

あっという間に俺とアツシの間に座ったのは、カヨちゃんで。

その素早い行動にあっけにとられるも、皆それぞれ座ってメニュー表を見てドリンクを選びだした。

「コウヘイ君、決まった?」

俺の隣で俺と一緒にメニューを見ていたミズホちゃんが顔をあげて俺を見ていて。

「んー、コーラにしようかな」

「え、お酒飲めないの!?」

お酒は飲めないわけじゃないけど、外で飲んだことがないだけで。

時々、父さんと一緒に家で飲むことはあっても、ビールをコップ一杯とかそんな程度で。
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