妹の恋人[完]
「おう?」

「アツシは、好きな子とか居ないの?」

アツシから女の子の話を聞いたことないけど、今彼女がいる感じではなくて。

「まあ、特定の子は、いないかな?」

なんて意味深な事を言って話をはぐらかされてしまった。

「どういう意味だよ」

なんだかそんなアツシの笑顔にいらいらして、俺も立ちあがり冷蔵庫からビールを取り出し口をつけた。

「ことばのまま、お友達はたくさんいますってこと」

目だけは真剣で、口元だけ緩ませたアツシの顔が、すごく嫌な顔で。

「・・・俺には理解できない」

「まあ、そーだろーなー」

それって、やっぱりそう言う意味なんだろうか。

「大人の、割り切った関係って言うのも悪くないよ」

全く知らなかったけど、年上からかなり持てるらしいアツシは、お姉さまオトモダチってひとが何人かいるらしくて。

自分から連絡することはなくて、相手から連絡があれば会いに行く関係らしい。
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