妹の恋人[完]
「一人なの?」

「あ、コウヘイ君」

了解を得てから向かいに座り、一緒に食事を取ることに。

「コウヘイ君、ひとりなんて珍しいね?」

「ああ、アツシなんか風邪ひいたとかで教室で寝てるよ」

「ええ、大丈夫なの?」

食欲がないとかで、野菜ジュースを飲んで少し眠る、と言うアツシだったけど、早退しろと言っても午後の必須科目だけは落とせないからと無理をしているらしくて。

「熱はなさそうだったけど、のどが痛いみたい」

「そっかぁ。後で薬持っていこうかな」

すごく心配そうにアツシのことを考えているカヨちゃんを見ていて、なんだかもやもやした気持ちになってきて。

「・・・俺が風邪ひいても、心配してくれる?」

まるで子供みたいなことを口走ってしまった。

「あ、いや・・・」

耳まで赤くなるのを感じながら、でも口にしてしまった言葉はなかったことにはできなくて。

キョトン、としたカヨちゃんお顔が、見る見るうちに赤く変わっていくのがわかった。
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