妹の恋人[完]
美味しそうに食べる皆を見て仕事をするのも悪くないな、なんて。

今日はなんだか忙しくて、カナコたちが食べている姿をゆっくり見ることもできなくて。

デザートくらいしか出せないけど、と店長がアイスをサービスしてくれて、甘いもの大好きなカナコはそれはもう大喜びで。

そんなに食べたのにまだ入るの?とびっくり。

小学生の食欲はすごいなぁ。

2時間ほどゆっくりしていたカナコたちも、美味しかったごちそうさま!と帰宅していって。

ビールでほんのり酔っぱらった父さんも上機嫌だし、母さんは運転手だからお酒は飲まなかったけどそれでも楽しそうだった。

次は俺が休みの日に4人で来ようね、なんてうれしい一言も残して行ってくれて。

今日は最後までのシフトだったので、帰りは遅くなったものの楽しく仕事をすることができた。

「お疲れ様でした!」

店を出るとバスも最終間近で。

あわてて走ってバスに飛び乗り、あいている座席に座る。

外を見るときれいな星空で。

何気に取り出した携帯電話にはメールが2件。
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