妹の恋人[完]
「時給とか、聞いといてくれる?」

「引き受けてくれるの?とってもいい子なのよー」

今日にでも電話で確認しておくわね!となんだか嬉しそうな母さん。

「母さん、友達がコウヘイのことを褒めるから、自慢に思っているんだよ」

横に座っていた父さんが、こそっと教えてくれたこと。

なんだか照れくさい。

期待にこたえられるように頑張ろうと思う。

「いいなー。カナコもおにいちゃんに家庭教師してほしい」

一緒に朝ごはんを食べていたカナコが、剝れながら文句を言っていて。

「カナコの勉強はいつも俺が見ているだろう?」

そう言うとなんだか納得していない感じだけど、そうだけどさとつぶやきながら学校へ行く準備を始めた。

食べ終わった俺と父さんも出かける準備をし、3人で一緒に家を出る。

途中までカナコと一緒に行き、いつものように父さんとも駅の改札で別れた。

いつものようにマンションでカヨちゃんと合流し、朝からバスケットを楽しんで。

俺が動き回っている間、相変わらずいろんな人と話をして盛り上がっているカヨちゃん。

なんだかそんな姿を見ても、なんとも思わなくなってきていることにショックだった。

「コウヘイ君はバスケットをしている時が一番楽しそうだね」

なんてカヨちゃんに言われたけど、ほとんど見ていなかったじゃないかとは言えず。

なんだか自分が情けない。
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