妹の恋人[完]
「いつから来ていただけますか?」

「今週からでも大丈夫です」

すごくやる気があるようで。

志望校にどうしても合格したいんだという気持ちがすごく伝わってきて。

「では、明後日の水曜日からよろしくお願いします」

「はい。アヤちゃん、一緒に頑張ろうね」

なんだか俺も頑張ろうって気持が強くなってきた。

それからはバイトが終わってから参考書で勉強内容を見直したりして。

自分が勉強した内容と若干違ったりしたけど、基本は変わっていないようで。

塾で習っている内容もちらっと見せてもらい、苦手なところを重点的に勉強することになりそうだった。

焼き肉屋のバイトで、先輩に家庭教師のことを話すと、中学生に手を出すななんて釘を刺されて。

「いくらなんでもそれはないですよ。妹とそんなに変わらないし」

「お前なー。妹とじゃ別物だって!今どきの中学生は怖いぞー」

なんてからかわれて。

中学生くらいだと、年上に憧れる時期だからという先輩の、ちょっとうらやましそうな視線を感じつつも、勉強するんだし!と自分に気合を入れて。

まあ実際のところ、俺には彼女がいるわけだし、年下・・・それも中学生には興味がないわけで。

「カナコと3つしか違わないんだし・・・」

一人で呟いてみるけど、男と女には変わりないのだから、そうやって見られても仕方ないんだろうか。
< 374 / 587 >

この作品をシェア

pagetop