妹の恋人[完]
「えー、コウヘイ君の青春って勉強で明け暮れたの?」

くすくすと笑うカヨちゃんも、それなりの高校を卒業してこの大学に進学したわけで。

「まあ、ねぇ。遊んだ感じはないなぁ」

彼女だってそれなりに勉強はしていたと思うんだけど、違うのだろうか?

「ふふ。じゃあ、大学生活満喫しなきゃね~」

すっと俺の左手に自分の右手を重ね、手をつないできたカヨちゃん。

下から覗き込むように俺を見て、笑っている。

「満喫ねー。車買ったらバイトも減らすかな?」

ずっと続けているバイト。

特に欲しいものもなく、ためるだけためてあるバイト代も、あと少しで中古の車に届きそうだった。

「今度車見に行こうと思うんだ。一緒にどう?」

「わ、行きたい!」

最初は背伸びせずに中古車でいいと思っている俺だけど。

いい車と巡り合うことができればすぐにでも買っていいと思っていた。

「じゃあ、日曜日にでも行こうか」

「うん!」

近くにある中古車センターへ行ってみて、あれこれ見るのも楽しいかも。
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