妹の恋人[完]
授業が終わり、初めての家庭教師。

勉強内容は、塾で消化できなかった問題を俺が説明する感じで。

思ったよりもレベルの高い問題で、慣れるまでは俺も時間がかかってしまった。

それでも、予定時間内に終わることができ、初日にしてはまあまあだったと思う。

アヤちゃんのお母さんもとてもいい人で、終わってから3人でお茶を飲みながら今後のことなどを話して。

2週間後にある塾での模試で、志望校へのA判定をもらうことが今の目標らしい。

「前回は数点足りなくて」

とても悔しくて泣けてしまったというアヤちゃん。

だからこそ、どうしても苦手な数学を克服したいんだという。

「コウヘイ先生、よろしくお願いします」

また来週ね、と別れてから家に着いたのは7時を回ったところで。

バイトをして帰宅してこの時間だなんて、今まで焼き肉屋だと日付が変わってしまう日々だったのでちょっとうれしい。

「おにいちゃんお帰り!」

俺が早く帰ってくることがカナコもうれしいようで。

久しぶりに玄関まで迎えに来てくれて、ぎゅーっと抱きつかれた。

「ただいま」

「家庭教師どうだった?生徒は女の子なんでしょう?可愛い子だった?」
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