妹の恋人[完]
でも、カナコはそんなこと知らないとばかりにとにかく質問攻め!

部屋へ着替えに行くのにも付いてきて、俺が着替えている間も俺の部屋でずっと話をしていた。

おにいちゃんが服を脱いでもお構いなし。いつになったら恥ずかしいとか思うんだろう?

俺はもう恥ずかしかったりするんだけど。

「おにいちゃんはさすがだね!」

全部問題は解けたし、結果も悪くなさそうだよ、と伝えると、やっと満足したようで、俺の腕にからみついたままリビングへ向かう。

そんな姿がたまらなくかわいくて、このままずっとその腕を放したくないと思ってしまうんだ。

「ママ、おにいちゃんすごいね!全部問題できたんだって!」

「あら、そうなの?さあ、カナコ、運ぶの手伝ってね」

いつもこうして3人での食事。父さんがいるときはもっとにぎやかなんだけど、3人でもずっと話の尽きないこの時間が大好きだった。

翌日、塾から電話で合格の連絡があり、週末も含めて週に4日通うことになった。

塾がある日は帰りがとても遅くて。

帰るとカナコが寝ていることが多くなってしまった。

週に4日、夜寝る前のカナコに会えないけど、でも仕方がない。

こっそり眠る前にカナコの部屋へ行き、カナコの寝顔におやすみと言ってから眠ることも少なくなかった。

こうして学校と塾、それから図書館で過ごす時間が多くなり、以前のようにカナコの宿題を手伝ったり一緒に本を読んだりすることがほとんどなくなってしまった。

それでもカナコは、俺が早く帰ってきた日はちゃんと玄関まで迎えに来てくれたし、変わらず俺の腕にしがみつくようにしてあれこれ楽しい話をしてくれた。

冬休みは学校がない代わりに昼間は毎日塾で勉強。

代わりに夕方には家に帰っていたので、家で勉強している間はカナコと一緒に過ごすことができた。

年末は休みに入った父さんも帰ってきて、家族でのんびり年越しをした。

いつも勉強ばかりの俺も、年越しだけは勉強をお休みして皆で近所の神社へ初詣に出かけたりして家族との時間を満喫することができた。
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