妹の恋人[完]
ピアスを決めてからも店内を見て回り、最終的に他にもお揃いのマグカップを購入して。

そんなに高いものではなかったけど、気に入ってくれたようでよかった。

スーパーでお昼と夕飯の買い物をし、混雑しているケーキ屋で、小さなケーキを二つ購入。

ホールケーキでもよかったけど、食べきれないと思ってお互い好きなケーキを買うことにしていた。

「きっと、こんな日にショートケーキとか珍しいよね」

小さな箱に入ったケーキを持ちながら、可愛らしく笑うカヨちゃん。

「そうかな、そんなことないかも?」

意外と、こうしていろんな種類のケーキを楽しむ人もいるような気がするんだけど。

夕飯は、俺が家庭教師のバイトへ行っている間にカヨちゃんが作ってくれるというのでそれに甘えることにして。

軽めに昼を済ませ、部屋でのんびりDVDを見たりして過ごした。

「家庭教師、大変?」

「いや、教えている子がすごく努力家でね、理解力もあってやりやすいよ」

実際、俺なんて必要ないんじゃない?って思うことも多いんだけど。

それでも、わからなかった所を理解してくれた時とか、充実感があっていい。

「そっかー。コウヘイ君やさしいから、教えるのも上手そうだね」

温かいコーヒーを飲みながらそんな話をしていて。
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