妹の恋人[完]
どれくらい時間がたったのだろうか。

すごく長い時間そうしていたかのように思えたけど、実際はそんなに経っていないのかも。

ふと時間を見ると、家庭教師のバイトの時間まであと1時間。

泣き疲れたのか、俺の腕の中でうとうとしているカヨちゃんを起こすのがかわいそうで、時間ぎりぎりまでこうしていようかと思ったけど。

う、腕がしびれてきた・・・。


そっと体制を変えようと体を動かすと、やはり起こしてしまったようで。

「ん・・・」

俺の腕の中からそっと体を起こし、ぼんやりと俺を見上げる。

しばらく俺を見上げたままだったカヨちゃんも、ようやく自分がどういう状況にあるのか思い出したようで。

「ご、ごめんね」

あわてて俺の腕の中から体を離した。

「いや、俺こそ起こしちゃってごめん」

しびれた腕をさりげなく上へあげ、軽く伸ばしてみる。

「わ、もうこんな時間!?」

部屋にある時計で時間を確認したカヨちゃんは、思ったよりも時間が経っていたようで。

あわてて立ち上がり、ぱたぱたと置いてあったマグカップを片づけ始めた。
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