妹の恋人[完]
座っていたソファから滑り降りるようにして、彼女の前に座りなおして。

両手で彼女をそっと抱きよせ、今だに真っ赤な彼女の頬に、そっとキスをした。

「続きは、またあとでね」

「やだ!もう・・・」

俺の言葉に、ぎゅっと俺の首に腕を巻きつけながら抱きついてきたカヨちゃん。

そのまましばらく抱き合っていたけど、ずっとそうしているわけにもいかず。

家庭教師のバイトへ行くために、カヨちゃんの家を後にした。



外へ出ると辺りはすっかり暗くなっていて。

冷たい空気が頬を刺激する。

足早に駅まで行き、タイミングよくやってきた電車に乗り込む。

クリスマスイブだからと言っても、社会人は普通に仕事があるわけで。

でも、仕事帰りのサラリーマン風の人たちはいつもよりもそわそわして見えるのは、やはり今日がクリスマスイブだからだろうか。

電車を降りて家庭教師先のお宅まで歩いて行く。

途中の家々でイルミネーションを楽しんだりして。

ちょっとした明りから、とても大がかりなイルミネーションまで沢山あり、見て歩くだけでも楽しい。

今度イルミネーションを見に行くのもいいかも。

そんなことを思いながら目的の家へ着いた。
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