妹の恋人[完]
インターホンで部屋番号を押し、オートロックを開けてもらう。

1階にいたエレベーターに乗り込み、カヨちゃんの部屋がある階で降りる。

他に人が歩いていないので静かな中、俺の足音だけが響いて。

部屋の前のインターホンを押すと、少ししてからカヨちゃんが扉を開けてくれた。

「おかえりなさい!」

エプロン姿のカヨちゃん。かわいい。

「ただいま」

なんだか照れくさいけど、家の中に入るととてもいいにおいがして。

「あのね、ビーフシチュー作りましたぁ」

昨日から仕込んであったというビーフシチューと、駅前にある美味しいパン屋さんで買ったというバケット。

サラダも並んでいて、可愛らしいキャンドルなんかもセットされていて。

「すごいね・・・」

今まで過ごしてきたクリスマスは、家のリビングで家族と過ごしたものばかりで。

いつも料理は豪華だったけど、こんなにおしゃれなクリスマスは初めてかも。

「味は保証できません」

笑いながらシチューを並べるカヨちゃんは、冷蔵庫から小さなワインを取り出してきて。

「乾杯だけ、ね?」

なんて小さなワイングラスの横に並べる。
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