妹の恋人[完]
体を離したのはこのプレゼントを渡したかったからだとわかり、少しだけほっとした。

「ありがとう。開けてもいい?」

大きめの箱を受け取り、うなずく彼女を見てからリボンをほどいて箱を開けると、出てきたのはマフラーと手袋、それから大きめのスポーツタオルが入っていて。

「素敵なマフラーと手袋を見つけたからどうしてもプレゼントしたくて」

箱からマフラーを取り出し、俺の首にそっと巻いてくれるカヨちゃんがかわいくて。

思わずその手を掴み、ぐっと抱きしめてしまった。

「あのね、タオルは毎朝走っているから、その時に使えたらと思って」

同じ箱に入れるのはちょっと変かな?とも思ったんだけどね、なんて言いながら、俺の首に両手をまわして抱きついてきた。

「ありがとう、大切にするよ」

カヨちゃんの首に顔をうずめ、沢山のキスを贈る。

時々漏れてくるかわいい声に、どうにも止められなくなってきて。

「ベッドへ、行く?」

どちらからともなく寝室へと移動し、そのままお互いの体温を素肌で感じで一つになった。



あともう少しで日付が変わるという時間に、カヨちゃんの家を出て。

本当は止まって行きたかったけど、どうしてもカナコへのプレゼントだけは今夜中にセットしておきたくて。

毎年、こっそりと枕元へ置いておく小さなプレゼント。

いつか、カナコの大切な人からプレゼントを受け取るようになるまでは、毎年続けようと思っているそれを、カヨちゃんに説明したら「素敵ね」と言ってくれた。
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