妹の恋人[完]
気がついたらいつの間にかおれも寝ていたらしく、カナコの横で毛布をかけられていた。

「あら、コウヘイ起きた?もう、しょうがないんだから」

それでもカナコの手を握ったまま、反対の手でそっとカナコのおでこに触れてみる。

「少し下がったでしょう?楽になってまた眠っているわ」

カナコのおでこに新しい冷却シートを張り、俺の頭をなでる母さん。

「もうカナコは大丈夫だから、コウヘイはご飯にしましょう」

眠っているカナコを一人にするのはつらかったけど、おなかもすいていたので晩御飯を食べることにした。

リビングの隣にある、和室で静かに眠っているカナコ。

たくさん寝て、早く元気になってほしい。

翌日、朝起きると割れるように頭が痛くて。

なかなか起きてこない俺を母さんが起こしに来た。

「コウヘイ、遅刻するわよ?あら、顔が赤いわね?」

おれのおでこに触れた母さんの手は、ひんやりしていて気持ちがいい。
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