妹の恋人[完]
冬休みも終わって学校の授業も内容が徐々に薄くなってきて、授業中にこっそり別の勉強をしている人もいるくらいだった。

先生も受験を控えていることを理解していて、怒ったりすることはなくなっていた。

俺は授業はやはりきちんと受けたかったので内職のようなことはしなかったけど、その分学校帰りに塾で必死に頑張った。

「浅野君、すごく頑張っているよね」」

塾で隣の席に座っている高橋さん。

学校では委員活動以外では話をすることがほとんどないけど、塾だとよく話し掛けてくれるんだ。

「この前の塾内テスト、1番だったんでしょう?」

私は苦手な数学でちょっとミスしちゃってだめだったわ~、と、ノートを片付けながら話してくれる高橋さん。

「この前のテストは自分でもびっくりするくらいよくできたよ」

本当にびっくりで、全部すらすら解くことができたんだ。一か所、単純な計算をミスしてしまったくらいで、ほぼパーフェクトだった。

「私も頑張らなきゃ」

今のままなら合格間違いない!と塾の先生には言われていたけど、何があるかわからないからまだ気は抜けない。

「そろそろ帰ろうか」

俺は高橋さんと一緒に塾を出た。
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