妹の恋人[完]
「そうだな。どこか行こうか?」

「プール!」

「はあ?お前毎日入ってるだろ?」

家の中では、いつもこうして笑い声が響いていて。

幸せってこういうことなんだろうな、と思う。

カヨちゃんは、幸せに過ごしているのだろうか。

ふとした時に思い出す彼女の笑顔だったけど、これは俺の未練なんだろうか?

週末になり、カナコの希望通りに郊外にある大きなプールへ行くことになった。

二人で行くのもどうかと思い、隣のハナちゃんにも声をかけたら二つ返事でOK。

母さんに車を借りて、一緒に行くことになった。

プールは夏休みの日曜日ということもあって、とにかく混んでいて。

朝早く出てきたのに、駐車場も結構遠くになってしまい、暑い中プールの入口まで歩くのも辛くて。

「あちい」

なんて口にしてしまうと、うるさい中学生二人にさんざん責められ。

やはり、中学生と大学生では、おやじと子供なんだろうなぁなんて実感してしまう。

これじゃあ、デートと言うよりも引率の先生か保護者だなぁ。
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