妹の恋人[完]
しばらくそんな二人を見ていて、気がついたらどうやら寝てしまったらしくて。

ふと目を覚ますと、夏の強い日差しも気持ちやさしくなってきたようだった。

「あー、寝過ぎたか？」

あたりを見渡すと、徐々に帰り支度を始めている人が多くて。

時計を確認すると、15時を過ぎたところだった。

立ち上がり、二人の姿を確認するけど見えるところには居ないようで。

簡単に荷物をまとめて隅に置くと、二人を探しに行くことにした。

「どこかな？」

近くのプールでは見つけることができず、少し離れた所にある流れるプールへと行く。

黄色の大きな浮き輪を持っているはずなので、それを目印に探すと、遠くの方を流れている二人の姿を見つけることができた。

プールサイドを歩き、二人の近くまで行くと、そばに見たことのない男が二人いて、何やら必死に話しかけている様子で。

へー。カナコもナンパなんてされるんだな。

なんだか冷静にその姿を見ていたら、困った顔をしたカナコと目があった。

「あ」

カナコの声に、ハナちゃんも俺を見つけたらしくて、あわてて手を振っている。

二人とも、声をかけられたものの断れずに困っている様子だった。
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