妹の恋人[完]
プールに入り、二人のそばへ行くと、高校生くらいの男二人が俺の顔をまじまじと見てきた。

「俺の連れに何か用?」

「なんだよ、男といるならそう言えよな」

今まで必死にカナコたちに話しかけていた男たちも、そそくさとどこかへ行ってしまい。

おかしくて笑いがこみあげてきてしまった。

「もー。おにいちゃん笑いすぎ!」

中学生をナンパするなんて。最近の高校生は大丈夫か?

プールからあがり、帰りの車の中、二人は後部座席でぐっすり眠っていて。

寝顔はまだまだ幼くて、とてもさっきプールでナンパされていたとは思えなくて。

いつまでも、かわいいままでいてほしいと思ってしまう。

「やっぱ俺は親父だなぁ」

兄、というよりも父親のような気分なんだろうな。
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