妹の恋人[完]
また、いつものように大学も始まり、朝からバスケットをするために早い時間に大学へ行く。

バスケットコートへ着くと、久しぶりに会う仲間達はすっかり日焼けしていて。

室内でバイトばかりの俺は、日焼けすることもなく、なんだか恥ずかしい。

「おー、浅野、お前夏を満喫しなかったのか?白いなー」

一緒にバスケをしている先輩や後輩にからかわれながら、久々にコートの中を走り回り、まだまだ暑いけど気持ちい汗を流すことができた。

2年生になって、女の子と遊ぶことがすっかりなくなった俺だったけど、夏休み少し前からバスケットコートに何人かの女の子が出入りするようになっていて。

誰か目当てがいるのか、毎日顔を出しては誰かと話をしている。

そんな中、俺にも声をかけてくれる子が何人かいて。

今はとても彼女を作るとかそんな気になれない俺は、ごく普通に受け答えをしているのだけれど。

「浅野君、今度どこか遊びに行こうよ」

夏休み明け、久々に会った女の子たちに、突然遊びに行く誘いを受けてしまった。

「え?俺と?」

今までそんなこと一度もなかったのに、急に誘われてどうしたらいいのか困ってしまう。

正直、今塾のバイトが楽しいのでほぼ毎日焼き肉屋と塾でいっぱいいっぱいになっていて。

遊びに行く時間なんて、平日は無理だった。
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