妹の恋人[完]
翌日からはまたバイトの日々で。

焼き肉屋と塾と交互に行く形になり、ばたばたと毎日が過ぎて行った。

どちらも帰りが遅くなってしまい、どうしても自分の勉強がおろそかになってしまって。

カナコの勉強も見てあげる時間がなくなってしまって。

「おにいちゃん、そのうち倒れるんじゃない?」

朝、いつものように走った後にカナコに心配されてしまった。

確かに、最近疲れすぎかよく眠れないような・・・。


そんな感じで1ヶ月が過ぎ、残暑もいくらか和らいできて。

いつものように、大学が終わってから塾へ向かう途中、なんだか寒いような気がして。

「浅野先生、顔色が悪いですよ」

長谷川先生にそう言われるまで、自分が風邪気味なんじゃないかと気がつかなくて。

ひょっとしたら、ちょっと熱もあるのかも。

念のため、咳は出ないけどマスクもして。

生徒に心配かけてしまったけど、受験生に風邪をひかせては大変だし。

今夜は早く寝ることにしよう。

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