妹の恋人[完]
しばらくしてから、塾の位置口が賑やかになってきて。

試験が終わった生徒たちが、帰宅前に報告に寄ってくれていた。

皆口々に全部埋めたとかわからないのがあったとか。

興奮気味に話してくれる皆の顔はきらきらと輝いていて。

ああ、皆やりきったんだなと安心できた。

「よく頑張ったな」

一人ひとりの頭をなでてあげると、恥ずかしそうで、でもうれしそうで。

そんな彼らがかわいくて。

アルバイトなのに、こんなにいろんな気持ちまで受け取っていいんだろうか。

まっすぐな彼らに、俺の教師を目指すという気持ちもかなり本気になっていた。

あとは、合格発表を待つのみで。

受験を終えた彼らには、今まで頑張った分しばらくゆっくりと自分の時間を満喫してほしい。

俺も、結果がまだだけど少しだけ肩の荷が下りた気分で、4月からの新しクラスの準備に入ることができた。
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