妹の恋人[完]
頬を赤くしながら、身振り手振りであれこれ話してくれた。

名前は青木君と言って、出席番号順で並ぶと浅野と青木で一番同士だったらしい。

同じ水泳部というのもあってよく話をする仲ではあったけど、まさか告白されるとは思わなかったという。

初めてできた彼氏。

なんだか、娘を取られた父親ってこういう気分なのかもしれない。

そんなことを考えながら、青木君の話をするカナコがとてもいい顔をしているのを見て、複雑ながらもなんだか嬉しいとも思えてきた。

いつもより少し長く公園で休憩してしまったため、急いで帰宅して学校の準備をすることになってしまったけど。

今度、青木君を紹介してもらう約束をした。

どんな子なんだろう?

カナコの話を聞いていると、良い子そうだけど。

勉強があまり得意とは言えないカナコと違って、成績もよさそうだし一緒に勉強とかしてくれたらいいのになんて。

電車に揺られながらずっと、カナコのことばかりを考えている自分がなんだかおかしくて。

カヨちゃんと別れてから1年以上。

そろそろ、俺も恋をしてもいいのかも。
< 461 / 587 >

この作品をシェア

pagetop