妹の恋人[完]
「本気?」

「もちろん。実は、今日浅野君とおしゃべりしたかったから開いてもらったの」

バスケットコートで、俺の姿を何度か見たことあるという彼女。

残念ながら、俺はそんな彼女に気が付いていなくて。

会話もそれなりに楽しめたし、でももしこのまま朝まで共にするにしても、もう少し飲まないと俺には無理な気がする。

「じゃあ、もう一杯飲んでからね」

店員さんを呼び、ビールを頼む。

他のメンバーも一緒にドリンクを頼んで、皆で盛り上がった。


皆が飲み終わり、待ったりしてきたところでお開きになり。

結局、程よく酔っ払った俺はそのまま彼女の家へお持ち帰りされて。

何度となく肌を重ね、彼女のベッドでぬくもりを感じながら朝を迎えた。


それからというものの、付き合うことになったわけでもなんでもなかったけど。

毎朝のようにバスケットコートに顔を出す彼女は、すっかり俺の彼女気取りで。

俺としては、一番をともにしたけど彼女にするつもりもなく。

かといって、断る理由もなく、流されるままに朝だけ彼女と顔を合わす毎日で。

時々メールが入ってくるけど、いつもタイミング悪くバイト中だったりして返事も時々返す程度で。

1ヶ月が経つ頃には、彼女もバスケットコートに顔を出さなくなっていた。
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