妹の恋人[完]
彼氏と一緒に勉強。

同機は不純だとしても、勉強をやる気になったのはいいことだと思うので、彼の通っている塾のことを詳しく聞いてみる。

レベルとしてはそんなに高いわけではないようで、カナコでも頑張れた着いて行けるようだ。

「ね、夏季講習だけでいいの。スイミングもあるし・・・」

短期の夏季講習があり、夏休みに入ってからお盆までの午前中、平日に毎日あるという。

「水泳部の部活は午後だけ参加しようと思うんだ」

今まで、何があっても水泳が一番だったカナコだけど。

彼氏の存在が、彼女を変えているんだと思うと、少し複雑で。

でも、決して悪い方へ向かっているとは思えず、カナコなりに考えてのことだと思う。

「だからね、おにいちゃんからお母さんにお願いしてほしいの」

ああ、結局はそこへたどり着くのか。

今まで勉強を自ら進んではやってこなかったカナコ。

自分で通いたいといえば、父さんも母さんも反対するとは思えないのに。

「わかったよ。でも、やるからには結果を出さないと」

「それはわかってるよ!」

二人で夏季講習へ通い、終わったら午後から一緒に水泳部の練習に行って。

夏休みの間、デートはできなくてもずっと一緒にいられるのがうれしいらしい。
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