妹の恋人[完]
彼とのことをあれこれ話してくれるカナコがかわいくて。

彼にも大切にされているようで、まだあったことのない青木君だったけどそこら辺は安心していた。


夏休みになり、カナコは塾へ通いだして。

俺も、自分のバイト先の夏季講習に追われ、空いた日に大学の仲間と海へ行ったりバーベキューをしたり。

去年がバイト三昧で日焼けする暇もなかったことを思えば、すぐに真っ黒に日焼けして生徒にも笑われたくらいだった。

自習室へ来る生徒も、入れ替わりがあったにせよ人数的には減っていなくて。

それでも、できる限り顔を出すようにしたりして、俺なりに生徒たちとの時間を過ごしていた。

カナコの水泳の大会へ応援に行ったとき、初めて青木君を紹介された。

背が高くて爽やかな彼は、元気に俺に挨拶をしてくれて。

なかなか好感が持てると思っていたのに。

大会が終わって、夏休みも残す所あと数日という日に、カナコが泣きながら帰ってきた。
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