妹の恋人[完]
「就活?」

「そうそう、なにも準備してないの?」

「遅くない???」

残暑が厳しかった秋もあっという間に終わり、クリスマスも近いある日のこと。

いつものように男女数名で飲みに行った時に、就職先の話になって。

すでに何人かは内定をもらっているのだという。

「え、俺何も考えてない」

「はぁ?」

そう。

3年生の冬だというのに、就職のことをあまりよく考えていなかった俺。

いや、正確には考えてはいだけど・・・。

教員を目指してはいるものの、塾の講師を通して生徒に教えるという経験をして、いろんなことを考えてはいた。

青木君の紹介で、彼のバイト先の会社の人とのつながりもできていたし、外資系の企業へのあこがれも出てきていて。

今、自分が何を目指しているのか方向を見失いかけていた。

「んー。どうすんの?やばくない?」

「やばい、かなぁ?」
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