妹の恋人[完]
実は、大学卒業後はサラリーマンを経験していたこと。

脱サラして塾を開いたこと。

子どもたちはかわいくて、でも、不登校などの現実を目の当たりにしてショックだったこと。

そんな長谷川先生の経験してきたことを聞くことができて、自分の中でいろんな気持ちがなんとなくだけどまとまってきたような気がした。

子どもたちの力になれる仕事も憧れるけど、きっと俺にはそれは違うのかもしれないということ。

憧れと、現実はやはり違うんだ。


翌日から、俺は就職活動をするべく、あれこれ調べたりして。

気になった企業は、やはり説明会などはもう終わっているところもあって。

気持ちがどんどん焦るけど、こればかりはどうにもならない。

いくつか説明会などに参加して。

出てくるのはため息ばかり。


年末年始は就職活動もお休みして、バイト以外は家でおとなしく過ごして。

何かと騒ぎ立てるカナコに付き合わされて、買い物へ連れまわされたりもして。

家族とずっと一緒に過ごしていた。
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