妹の恋人[完]
「ふふ。よかった。何でもできるから、スーパーマンなのかと思ってたわ」

俺よりも5つも年上の彼女にそんなことを言われて。

そんな風に思われていたんだ。

「朝まで慰めてあげようか?」

こんな風に誘われては、美味しいお酒いじょうのことをたくさん俺におしえてくれた。

「自分が何をやりたいのか、もう一度考えてみるのもいいと思うわよ」

ベッドの上で、タバコをふかしながら就職に関するアドバイスをもらって。

自分のやりたいこと・・・。

それが何なのか。

周りの友達が内定を決める中、焦っているのは事実で。

「コウヘイ君なら、大丈夫」

よくわからない慰めで。

でも、そんな優しい言葉が心になんだか響いてきて。

彼女でもない、そんな女性なのに。

今の俺を少なくとも支えてくれた言葉だった。
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