妹の恋人[完]

翌日。

いつもなら早くに起きて走りに行くところだけど。

今日は、起きることができなくてカナコに叩き起こされてしまった。

「もう、何時に帰ってきたの？」

夕べ、俺から連絡がなかったので、そのままハナちゃんの部屋に泊めてもらったというカナコ。

いつも通り、朝ご飯を作る時間に帰宅したら、ベッドにスーツのままもぐりこんでいた俺を見てびっくりしたらしい。

「んー、あまり覚えていないなぁ」

二日酔いな感じはないけど、体がだるくて寝不足気味。

水を飲んでから熱いシャワーを浴び、残っていたお酒を全部出すようにして目を覚ました。

カナコの準備してくれた朝ごはんを食べ、ふと時計を見るとそろそろ家を出ないと電車に間に合わない時間になっていて。

「ごめん、カナコ。明日から俺居ないから、竹内さんによろしく伝えておいて」

今日、早く帰宅できたら直接伝えるつもりだけど、ひょっとして遅くなってしまったらどうなるかわからない。

「了解！今日も頑張ってね！」

笑顔のカナコに見送られ、バス停まで走って。

結果的にいつもよりも一本早いバスに乗ることができた。