妹の恋人[完]
二日酔いでぐったりしている人もいたけれど。

新人も先輩たちも、誰一人遅刻することなく出社していて。

学生の頃なら、きっと半分はいないんだろうななんて、社会人としての自覚みたいなものを覚えたり。

「よぉ、よっぱらいー」

朝からご機嫌にコーヒーを飲みながらやってきた河合が、俺の目の前にコーヒーを差し出しながら挨拶してきた。

「あ、おはよう。昨日はありがとう」

ありがたくコーヒーを受け取り、熱いそれに口をつけた。

「無事に帰れたか?」

くくっと肩を震わせながら笑っていて。

なんだろう、それが嫌な感じじゃなくて。

「ホテルに泊まっているんだね」

「ああ、採用はA支社だから。アパートはそっちで借りてんのよ」

「そうなんだ」

ということは、彼も一人暮らし?

今年の新人は、実家から通っている人が少なくて。
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