妹の恋人[完]
会社へ着くと、研修へ行くメンバーはそれぞれ大きな荷物を抱えていて。

研修といっても、先輩いわく「合宿」のようなものだからなんて言われていて。

社会人としてのマナーから、外国でのマナー、英会話など、とにかく盛りだくさんのようだ。

会社の前に止められたバスに乗り込み、皆で研修施設へ向かい。

2時間ほどで到着した施設は、想像していたよりも新しくてきれいで。

割り振られた部屋を確認すると、河合と2人部屋だった。

「お、浅野だ。よろしくな!」

「こちらこそ、よろしく!」

初日の今日は、お昼まで自由時間で。

ほんの数時間だけど、荷物を片づけたりしてのんびり過ごすことができた。

「この回り、コンビニが一軒あるだけであとは住宅ばかりだってさ」

「そうなの?」

ベッドに腰掛け、携帯電話をいじりながら、溜息をついている河合。

部屋にあるミニキッチンでコーヒーを淹れながら、朝ご飯はどこで調達したらいいのだろう?と不安になってしまう。

お昼と夜は、会社が用意してくれるとかで、皆で食堂で食べるらしいけど。

「休日にまとめて買いだしかぁ?」
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