妹の恋人[完]
まだ知り合って二日目だけど、河合は常に笑っていて、それでいて周りに気を使って。

かといって、口が悪いところもあったりして。

「幾つ離れてんの?可愛いんだろうな、妹ってさ」

ちびちびとビールを飲みながら笑っている河合に、なんだか少し安心してしまった。

こいつは、きっと本当にいいやつなんだろう。

「・・・ああ、かわいいよ」

アルコールも入って、少しだけいい気分の俺は、いつもなら絶対に口にしない素直な気持ちを話していて。

河合も、そんな俺を気持ち悪いと思わずに、素直に聞いてくれていた。

「そこまでかわいいと思える妹も、すごいよな」

「そう?」

「俺は兄弟がいないからわからないけど、やっぱいいな。俺も妹が欲しい」

今更むりだけどなー!なんて。

お互いの家族のことなどを話したりして、その日は遅くまで一緒に起きていた。

それから毎日研修は続いて。

夜は、河合と二人で静かに語り合いながら過ごしていた。
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