妹の恋人[完]
俺も居なかった間、カナコはハナちゃん宅にお世話になっていたとはいえ、とても心細かったのだろう。

「日曜日にまた戻るんでしょう?ゆっくりしていきなさいね」

お昼ごはんを作りながら、母さんが笑っていて。

「え、母さんはいつまでいられるの?」

カナコの入学式が終わってすぐに父さんのいるアメリカへ戻ると思っていたのに。

「ああ、コウヘイの研修が終わるまで日本に残ることにしたのよ」

「そうなの!嬉しくって!」

はしゃぎながら喜びまわるカナコをみて、俺もうれしくなってしまった。

残ると決めたカナコを、俺が面倒みると決めたけど。

新しい生活になれる前に俺が家を空けることになってしまって。

さみしい思いをさせていることはわかっていたから、やはり父さん達と一緒にアメリカへ行ったほうがカナコのためだったんじゃないだろうか?

そんな風にいつも気になっていたにも事実で。

「お父さんもね、その方がいいって。あちらの生活は順調なのよ」

出来上がったお昼ごはんを3人で食べながら、それぞれの近況を話して。

カナコは、入学した高校で早速仲良くなった友達が何人かいるのだと教えてくれた。
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