妹の恋人[完]
「いよいよ正式な配属先が決まるね」

週末、同期の仲間と飲みながら、話題は来週からの新しい配属先についてで。

「ああ、どこかなぁ」

希望の配属先は出したけど、実際はどこへ配属されるかわからなくて。

基本的に本社で採用された人は本社内のどこかの部署へ配属されることになっている。

ごく稀に、違うところへ配属されることもあるらしく。

家庭の事情で、高校生の妹を面倒みていることは伝えてあるので、遠くへ配属されることはないと思うけど。

こうして同期で集まるのも、しばらくはないかもしれないという思いから、今夜は皆がなかなか帰ろうとしなくて。

終電近くでようやく家へ帰ることになった。

駅へ着くと、最終バスが来ていて。

あわててとび乗り、眠いのを必死で我慢しながら何とか帰宅した。

帰宅すると、カナコが一人で起きていて。

「おかえり~」

学校で友達に借りたという映画のDVDを見ていて、遅くなってしまったらしい。

「まだ起きていたの?」
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