妹の恋人[完]
改めて勧誘され、もともとバスケット部に入るつもりだった俺は相沢君のようにそのまま入部することに決めた。

説明会には出ずに、ほかの先輩に部室に案内してもらい、入部届けなどに記入をする。

部室は中学の時よりも広くて、とてもきれいだった。

「ユニフォームは買ってもらうんだけど、シューズとかは好きなのでいいから」

これがユニフォームの注文書ね、と用紙を受け取る。

「中学でやっていたと思うから細かいことは大丈夫だと思うけど、一応全国目指しているから、練習はかなりきついと思うけど、大丈夫?」

全国!?そんなにレベル高いの?

大野君が進学した市立高校が全国レベルだというのは知っていたけど、この高校がそんなにレベルが高いなんて初めて聞いた。

俺がすごく驚いているのに、先輩はなんだか申し訳なさそうな顔になりながら頭をかいている。

「ごめん、大きく出たけど、県大会ベスト3にすら入れないから」

でも、目標は大きく、ね?

人懐っこい笑顔で笑う先輩は、2年生の松本先輩というらしい。

最近また伸びた俺の身長は180センチに達していた。それに対してこの松本先輩は170あるかどうか位のようで。

イスに座っていても身長差を感じてしまう。
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